今年は夏よりも秋の方が天気が良かったので、秋の遠足などをなさった方も多いのではないでしょうか? 前回レポートした、アガーテンブルク城のあるエルベ川の南側には、「ちょっと遠足」できるような素敵な場所がいくつもありますので、今回はヨーク(Jork)近郊をご紹介しましょう。車があると移動がより便利ですが、電車とバスを使って行くこともできます。
エルベ川南岸のアルテス・ラント地方(Altes LandもしくはAltänder)は、シュターデや、ブックステフーデなどの町同様、木組みの家が有名。ヨークの中心には、木組みの家の古い街並みがあり、とても絵になるフォトスポットです。その木組みの家の中には、銀行や図書館が入っています。
そして町外れの大きな木組みの家の一つが「アルテス・ラント博物館」になっています。もともとこの地方のほとんどが農家でしたので、この大きな家は、家族の居住スペースだけでなく、収穫物の収納庫や家畜小屋も兼ねていました。門も家の入口も、大きくくりぬかれていて、馬車でそのまま通れるようになっています。この門扉がこの地方独特の装飾門 (Prunkpforten)と呼ばれるもので、木でできていますが、屋根付きで、さまざまな装飾が施されています。家の入口の鴨居には、「神よ、この家を何千年も立たせ、住まう人を危険からお守りください。設立年1872年」と書かれていて、当時の人々の信仰が伺えます。博物館の中には、収穫物を運んだ馬車や船の模型、19世紀のアルテス・ラント地方の民族衣装や住居の調度品などが展示されています。入場は無料です。
装飾門とアルテス・ラント博物館
町を一歩出ると、果樹園が広がるこの地方、各農家で、採れたての果物が直売されています。ここで栽培されているのは、リンゴ、ナシ、プラム、アプリコット、サクランボなど。フレッシュな果実だけでなく、果物を原料に作られたジャムやリキュールなども販売されていました。カフェが併設されているところもあり、産直の果物をふんだんに使ったフルーツケーキは、ぜひ味わってみたいところです。私が訪れた時には、団体のお客様が来店していたので、「アルテス・ラント観光+特産品お買いものバス・ツアー」みたいなものが、あるのかもしれません。大都市ハンブルクのすぐそばに、緑豊かな場所があり、気軽に出かけられることは嬉しいですね。身近なところの価値にはなかなか気付きにくいものですが、ハンブルクとその近郊の魅力をこれからも発見していきたいです。
農家の直売コーナー
ハンブルグ日本語福音キリスト教会牧師。イエス・キリスト命。ほかに好きなものはオペラ、ダンス、少女漫画。ギャップが激しいかしら?